ふらつきについて認知心理学からの分析 東京都西村治療院

「足元がふらつく」という症状はとても多く、「頭がふらつく」というのもとても多く訴えられます。

平衡感覚の乱れとして、重篤な問題は「小脳」の疾患が考えられますので、まずは脳神経外科をお勧めします。

今日は、そんな「ふらつき」のある患者さんが回復して行く過程を共に経験し長らえた気づきを、認知心理学の分野から分析してみたいと思います。

 

 

脳神経外科に勤務する知人の話からすると、「めまい」「ふらつき」と「頭痛」を訴えてこられる患者さんが最も多いそうです。

他には「痺れ」を訴えてこられる方が多いとされています。

 

そんな罹患される方の多い「ふらつき」ですが、多くは重篤な疾患がなく、様子を見てくださいとされてしまうことが非常に多い現状にあります。

このような問題がないとされたふらつきを有する患者さんが良くなる傾向にあるのは、身体、つまり筋骨格系の問題が起こすふらつきが非常に多いというのが実際のところなのではないでしょうか。

もちろんまずは脳神経外科を受診するのは必須条件ではありますが、我々のような立場でもお力になれる部分は非常に多いと感じております。

 

今回は、ふらつきについて別の角度で分析してみたいと思います。

前回、空間定位の「座標系」について触れました。今回も座標系の部分から「ふらつき」について述べてみたいと思います。

身体の空間座標について

 

まずは「頭がふらつく」「足元がふらつく」を問診から予測してみます。

どちらも「ふらつき」を表す表現ですが、患者さんは身体に起こっている現象をかなり的確に表現していると驚きます。

「頭がふらつく」といっている場合(貧血や脳の問題を除いて)、眼球運動がスムーズにできていない場合や、歩行時などに頭が振れる様に動いていることを目撃します。

「足元がふらつく」と訴える場合、お尻が傾いたり、O脚の人が歩く様に足の振り出しがまっすぐに行えていない、他にも膝が内側に落ち込んだりしているのを見ます。

つまり的確に身体の異常を捉えているのです。

問診と言語学について過去のブログはこちら

 

患者さんの表現に基づいて、頭がふらつく場合には、頭頸部・眼球運動・肩関節の機能検査を行い、改善させて行くと良くなります。

足元がふらつく場合にも同様に、股関節・膝関節や骨盤周囲の問題を改善させることでふらつきが治まるという経験は非常に多いです。

 

こういった経験を認知心理学の「座標系」から分析してみたいと思います。

前回身体にはいくつも異なる座標系を持っていることを話しました。

体性感覚野、つまり身体の各パーツに応じて配置されている身体基準系も存在しており、例えば、それは、頭、首、腕、手、足、などを中心とする座標系が存在しているというのです。

それぞれが由来する感覚受容野に固定されており、関連する身体部位を取り巻く空間内の視覚刺激の位置を突き止めることに寄与しています。

難しい本にはこう書いてあります。

 

つまりは、身体のパーツはそれぞれに方向を持っていて、その方向に対して、視覚で得た空間と統合して、行動を起こしている。つまり、身体パーツが適切な方向へと動かせない場合に、視覚空間の統合が上手く行えず、結果違和感となって「ふらつき」と表現されるような状態になっていることが考えられます。

 

重篤な疾患が見つからなかった場合に、めまいやふらつきは、何もすることがないとして扱われてしまいがちですが、適切な身体の機能検査を行えば、少しでも改善することができる糸口を見つけることができると信じています。

少しでもお力になれれば幸いです。

 

西村 公典

東京都港区芝5-27-5山田ビル503

03-6435-2437

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めまいの症例報告

めまい(右に引っ張られる)右側頭部頭痛の症例

手足に力が入らない 右に引っ張られるめまい 症例報告

めまい・ふらつき 乗り物に乗れない症例

左に体が引っ張られる 症例

めまいと乗り物酔い

 

参考文献

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think totally, act locally 関係性からみる身体の機能 田町・三田・六本木 西村治療院

「診断を下すことが患者を苦しめる」

この言葉は、心理学者の河合隼雄先生が言われた言葉ですが、腰痛や肩の痛み、手の痺れなど、我々がよく目にする症状にも同様のことが言えるのではないでしょうか。

もちろん検査し、評価し、診断し、処置する、のは当然のことですが、診断することに躍起になると、診断した時点であたかも治ったかのように錯覚することが起きている様に思えます。

 

あくまでも、患者さんが良くなったという結果が現れるまでは、診断というのは片付かない、いや、もしかすると片付くものではないのかもしれません。

良くなったと、声が聞けて、再度振り返ってみると・・・、一言二言では片付けられない、つまり診断できないような結果であることがほとんどです。

そこにあるのは「関係性」であり、診断名では片付けることが難しい

 

さて、なぜ、河合先生のお言葉から初めたかというと、現在読んでいる本がこれだったからです。

こころと脳の対話 (新潮文庫)
河合 隼雄 茂木 健一郎
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その中からもう一つ言葉を引用させていただきたいと思います。

仏教の「華厳経」を引用して表現されている「個の私ではなく、関係の総和が私である」という表現。

これもまさしく、治療に携わっていて感じる表現です。

腰の痛みも、足の痺れも、肩の痛みも、肩が動かないのも、指がひっかかるのも、関係の総和として現れている症状で、全身を見て関係性がこじれている部分を探し、改善させていくと、長く続いていた症状も良くなって行きます。

 

長く続く症状に苦悩している方のお力になれれば幸いです。

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西村 公典

 

 

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医療従事者たちの傷ついた脳 内側から見えるもの 高次脳機能障害 西村治療院

昔に、医師から「もう様子を見るしかない」と言われてしまった麻痺症状のある患者さんのケアに携わったことがあります。

脳腫瘍の手術後から滑車神経麻痺となってしまった女の子。

私自身が「視覚の心理学」を独学でずっと学んでいたこともあって、誰か良い先生がいないかと相談を受けた時に、これは治せるのではないかと思ったので、週に一回のペースでお伺いすることになりました。

幸いにもすぐに改善が見られて、それから数年が経ち、現在医療系の学校に進学したと知りとても嬉しい気持ちになりました。

そんな経験から「神経学」「認知心理学」「神経の可塑性」について興味を持ち、腰痛やしびれ、めまいや頭痛などいろんな症状に対して、其の知識を用いて施術をさせていただいています。

 

最近、とても素晴らしい本を見つけましたのでご紹介させていただきます。

壊れた脳 生存する知 (角川ソフィア文庫)
山田 規畝子
角川学芸出版
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著者である医師が脳卒中を起こし、自身の経験してきたことを記した本です。

外部からの観察ではなく、自己自身の内部の観察の記録として、医療に関わる方、高次脳機能障害の家族がいる方にもぜひ読んでいただきたい本です。

私が読んだのはここに紹介した山田先生の書籍とは別の書籍ですが、バイク事故で脳挫傷を負ってしまった女子大生とのやり取りが、私自身の経験とも重なり、とても印象的でした。

脳外科的にはすることがないといわれてしまった症状に対して、「長いスパンで見たリハビリで改善を感じれる部分が必ずある」と山田先生が元気づけたシーン。

認知心理学を用いた刺激が効果を示すのはどうしても時間がかかります。

脳が記憶する、アビリティ(能力)の獲得まで、繰り返し刺激を行う必要があるためです。

私が診た滑車神経麻痺の子も同様で、日常において繰り返しリハビリテーションを行って行くうちに目の動きを取り戻していきました。

現在も、麻痺患者さんの機能障害、主に関節の拘縮についてリハビリを行っている按摩マッサージ師の方に神経学と運動学を教えている中で、「神経学を用いた運動で、拘縮が改善したんです!!」と声を頂く度に、良い仕事をしたなと本当に思います。

脳の障害部位においては、やる気が起こらない患者さんもおられますが、変化を感じることで前向きになる方は多数いらっしゃいます。

高次脳機能障害や何かに対する麻痺などで苦悩している方、他にも理解されない腰痛や足の痛み・しびれ、めまい・頭痛などに苦悩している方の力に少しでもなれれば幸いです。

 

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西村 公典

他にも神経系の機能障害のリハビリについて、神経学者の実体験を綴った本としてお勧めはこちら

 

視覚はよみがえる 三次元のクオリア (筑摩選書)
スーザン・バリー
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「足の痺れ」「足が重い」感覚・運動障害を哲学する 東京都にしむら治療院

「足がしびれる」「足が重くて動かない」感覚障害や運動障害を患っている患者さんはたくさんいます。

ポイント的には仙腸関節と股関節がキーポイントだと思って施術させていただいています。

改善できない場合もあり、分析を繰り返すことも多々ありますが、効果が出た経験をまとめると、下肢と身体の「存在感」専門的に言うと「身体内感」が大きく関与している様に思えます。

あくまでも個人的な経験を哲学していきます。

 

「足がしびれる状態」
この足はしびれることで、そこに「足の存在」を感じます。

しかしこのしびれる足は、「自分の足ではないような感覚」非自己としての認識に近いのではないでしょうか。

 

健康な方の足は、通常、足の存在を認識しているわけではないが、一度意識すれば、そこに「自分の足」としての存在を理解します。

 

私自身、腰痛と下肢痛と運動障害を患っていたので自分の経験としても、患者さんとの対話からも、多くの方もこのような感覚ではないでしょうか。

 

健康な足は、「ない」が日常で、意識すれば「ある」。この「ある」は自己の認識を伴う。

症状のある足は、「ある」が日常で、意識しても「ある」。しかしこの「ある」は非自己としての認識

 

「自己」と「非自己」の差は、何を境に感じているのでしょうか。

「内」と「外」となる皮膚を境にして「自己」と「非自己」を区別しているのでしょうか。

 

内外と自己非自己について考えてみます。

自分の身体と離れたものは、外であり、非自己なのかと言われるとそうではないと思います。

それは道具を操作するように、
例えば、バット・ラケット・ゴルフクラブのような、その先端まで自分の手足の様に感じることができるのは、自分の身体が「内」それ以外は「外」ではないことの一例です。

ラケットと手に境界を持つこともできれば、ラケットの先でボールに触れることを手で触れているかの様に感じることもできる。

このように空間の認知は伸び縮みできるのです。

 

さて、ここで足の感覚障害と運動障害に戻ります。

身体を触診していくと、繋がっているはずの腰から下肢の連動が途切れているところに目と手が行きます。

先ほど記載した「境界」でしょうか、「内」と「外」の境目のように感じ。

多くは仙腸関節もしくは股関節・腰仙関節・腰椎にその境界を見つけることができます。

その連動が離開されたところをもう一度連動させる、先ほどの言葉を用いれば、「外」もしくは「非自己」として離開されてしまった関節の動きを繋げると、感覚障害や運動障害が改善することが多いのです。

仙腸関節の可動性亢進とは、この非自己を作り出す原因なのではと最近思っています。

 

この「在る」「ない」「自己」「非自己」「内」「外」の概念はとても重要な気がします。

例えば、動きをリハビリしていく場合、意識させた部位はそこに「在る」と明るみになりますが、意識させれば過度の緊張から動きは固くなります。

身体の「ある」という感覚が邪魔になるのです。

しかし少しずつ身体が覚えると、つまり大脳前頭葉からの制御から、小脳の自動運動制御機構に移されると、意識された「在る」は「なく」なり、過度の緊張も治まります。

 

認知と行為のメカニズムを学ぶことで、今までとは違った見方ができる様になってきました。

まだまだ良くならない患者さんもいらっしゃいますので、日々精進しながら勉強を続けたいと思っております。

 

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西村 公典

 

参考図書

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当院で行っている治療法 東京都にしむら治療院

当院の治療法に着いてご紹介致します。

針灸師として東洋医学を愛しながら、関節運動学関節神経学認知心理学的な治療をメインに行っています。

 

まずは関節運動学・神経学についてお話しします。

関節の運動には

随意運動と呼ばれる意識的に動かせる運動の骨運動osteokinematicsと、

その骨運動に含まれる関節内での小さな動きである関節内運動intra-articular movementがあります。

この関節内運動にはたくさんの呼び名があり、関節の遊びjoint play、関節の可動性joint mobility・副運動accessory movementなどと呼ばれることもあります。海外ではjoint surface movementと表現しているものもあります。

この関節の可動性は意識的に操作することはできないため、トレーニングやエクササイズでは治せません

エクササイズやトレーニングで行っている運動は「骨運動」であり、この骨運動に伴って関節内で起こる運動は構成運動component movementと言われています。

 

関節の可動性
関節の可動性

関節の可動性:転がり・スライド・回旋・離開・近接・傾き 等

1ミリ・1度単位で動かす治療法です

仙腸関節

仙腸関節の可動性

 

当院ではこの関節内で行われる構成運動である、「関節の可動性を検査し、改善させることで、痛み・しびれ・筋力低下・筋緊張などに効果を出しています。

仙骨のモビリゼーション 仙腸関節

股関節のマイクロ牽引法
股関節のマイクロ牽引法
胸腰椎座位モビリゼーション
胸腰椎座位モビリゼーション
腰椎椎間関節(右圧迫モデル)

手根骨  母指CM

 

痛みを起こすと、自律神経系に様々なストレス反応が起こります。

例えば、

疲れやすい・やる気が出ないなどの精神的な問題、

胃腸障害や便通以上などの消化器形の問題、

動悸や息切れ、冷え・火照り・むくみなどの循環器の問題

痛みによるストレス反応以外にも、

他にも脊髄から送り出される末梢神経の問題によって、運動器の神経性障害自律神経障害も起こってきます。

 

この関節運動学的arthrokinematics治療によってそれらの神経系への問題や、痛みの軽減によるストレス問題の改善が可能となります。

これが関節神経学的な治療効果と言われています。

 

認知心理学的な治療というのは、

痛みや不快な感覚は、そのまま行動に現れてきます。

例えば、動作時痛がある場合、できるだけ動かない様にすることで、痛みを起こさない様にします。

これは人からすればやる気がない様に思われるかもしれません。

精神的な問題として囚われやすいのですが、実際には身体の問題が、精神へとストレスを与えているため、肉体を治さなければ、健全な精神は宿りません

 

もし、身体の可動域に問題が出るために、身体が動かしやすい方向と、身体が動きにくい方向があった場合、認知しやすい方向と、認知しにくい方向が生まれてしまいます。

それは時には「めまい感」として感じられるかもしれません。

 

関節の動きや、筋肉の収縮が安定していない場合、机にずっと向かって座っていることはその人に取ってストレスとなります。

そんな場合は、注意散漫、集中力がない、などと発達障害として捉えられるかもしれません。

このように患者さんの行動・行為から身体がどのように認知をしているのかを分析しながら検査・評価・治療を行うことを私は認知心理学的治療と呼んでいます。

 

そして針灸師である誇りとして、

身体と精神そしてその人がおかれている環境・背景・状況という全体を包括した世界観で患者さんと向き合うこと、これを私の医道として日々施術に向かわせていただいています。

 

現代の病気として捉えられてしまう疾患は、病理学的変化によって起こる症状意外にも、身体の改善できる問題によって、それらの疾患の症状を強くすることがかなり多いのです。

つまり治すことはできなくても軽くすることは可能な疾患はたくさん存在しています。

身体的・精神的な問題を抱えている患者さんのお力に少しでもなれる様に真摯に向き合いたいと思っています。

 

東京都港区芝5-27-5山田ビル503

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西村 公典

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