足が上がらない 足が重い 仙骨の機能制限 東京都西村治療院

「足が上がらない」「足が重い」という運動障害感覚障害仙骨という動きの小さな骨の問題が関わることが多数あります。

今日は仙骨と股関節の運動について症例を踏まえてご紹介していきたいと思います。

 

仙骨という骨のポイントは

「仙腸関節の構成要素」「座骨神経の起点」「腰仙関節という腰部との連携」です。

 

仙腸関節は今までも何度も説明した通りですが、今日は別視点でお話しします。

股関節・仙腸関節・運動連鎖についてはこちらに記載

 

トレンデレンブルグ徴候は、中殿筋の機能によって反対側の骨盤を引き上げることができるかどうかを検査する方法です。

トレンデレンブルグ徴候
トレンデレンブルグ徴候(右足の検査)

参考図書:筋骨格系検査法

筋骨格系検査法

筋骨格系検査法

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地面に着いている足の機能検査ですが、
反対側の仙骨の問題で、骨盤の挙上が行えなくなることがあります。

 

座骨神経痛と関連のある「梨状筋」は固くなると、仙骨を下方へと引っ張ります

すると足が上がりづらくなるのです。

これによって反対側の中殿筋にも負荷がかかるため、中殿筋麻痺時の仙骨と反対側の梨状筋の機能検査は必須です。

 

仙骨の機能と梨状筋の関係について触れました。

梨状筋は坐骨神経を挟み込む筋肉のため、緊張すると座骨神経痛を起こします

これもまた足を上げにくくしたり、痛みや痺れ・だるさなど神経痛も出します

これは神経学からみた「足が上がらない」「重い」状態です。

 

次は「腰部との連携」について考えていきます。

腰仙関節
腰仙関節

参考図書:SJF関節ファシリテーション

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腰仙関節は、上記の図の様に仙骨の「うなずき運動」の時に機能します。

片脚立ちの際に起こる動きというのは、この腰仙関節の左右で別の動きをします。

もし片方の腰仙関節で可動性の制限が起きている場合は、ある角度まで足を上げた際に動きを制限するため、引きずるような歩容にしてしまいます。

腰仙関節の動き方は、足の上げ方に依存するため、例えば陸上のような走動作での足上げと、サッカーで蹴り上げる時の足上げでは動き方が変わるため、患者さん自身がどのような動きを作りたいのかをによって検査のポイントを変える必要があります。

 

股関節のインピンジメントについてはこちら

股関節の痛みと足の痺れはこちら

臀部の痛みとしびれ 腰部脊柱管狭窄症はこちら

臀部の痛みとしびれ 腰部脊柱管狭窄症はこちら

 

「足が重い」「足が上がらない」という問題は一般の方もアスリートも抱えることの多い問題です。

少しでもお役に立てれば幸いです。

相談等、気軽にご連絡ください。

東京都港区芝5-27-5山田ビル503

03-6435-2437 nishimura@hari.space

にしむら治療院ホームページ

西村 公典

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股関節のインピンジメント FAI(femoroacetabular impingement) 東京都治療院

股関節の問題は、「歩行」という最も必要な日常動作と関わるため、患者さんにとって精神的な不安を大きく生み出します。

股関節という問題に対して多角的な視点で向き合うことで、少しでも痛みから解放へと前進できましたら幸いです。

 

今日はFAIの既存の考え方に対して、私が抱く疑問についてご紹介していきたいと思います。

それは

股関節の可動性 joint play / mobility / component joint movement の問題と、寛骨の傾斜による関節面の変化がなおざりにされているところに違和感があります。

 

まずは、FAIについて一般的な考え方について復習していきます。

股関節のインピンジメント障害・FAI(femoroacetabular impingement)というとスポーツ障害として位置づけられていると思いますが、スポーツを行っていない方も同様の症状を持っている方はいらっしゃいます。

レントゲン上で認められる骨の変形によって運動の制限と痛みが起こります。

FAI impingement
FAI impingement

Santa Monica Orthopaedic and Sports Medicine Group Hip and Pelvis Institute

 

このように股関節の受け皿の方である「寛骨臼」の変形・大腿骨の変形、もしくはその混合か、といったところが整形外科で言われる焦点である。

症状が同様であっても、レントゲン上で変形が認められなければ診断されづらいのではないでしょうか。

 

変形が痛みを起こしているのではなく、

股関節の機能制限が痛みを起こし

機能制限による負荷の持続が変形を起こす。

変形してしまった後でも、その前でも適切な触診によって適切な治療法が選択されます。

腸骨の前傾と寛骨臼の被さり

この場合、寛骨の治療が優先されます。

変形性股関節症・腰部脊柱管狭窄症・仙腸関節炎の共存

この場合、腰部の安定性もですが、骨盤の傾斜により、先ほど同様、寛骨臼がかぶさってきます。

 

私の個人的な経験による見解ですが、

FAIという診断されている方(レントゲン上の変形あり)

FAIと症状は同様ですが、レントゲン上は問題ないため、股関節炎としか診断されていない方

どちらも股関節の可動性と骨盤の機能を改善させることで多くの方は痛みから解放されています

 

ではなぜこの股関節の可動性と骨盤の機能改善が大切なのか考察していきたいと思います。

 

足がスムーズに上げたり下げたりするには、関節の可動性joint mobilityという、関節内の小さな動きintra-articular joint movement が必要になってきます。

骨運動と呼ばれる実際の大きな足の動きには、副運動component movementとも呼ばれるごくごく小さな、見ることのできない運動が含まれています

この副運動は自動では動かすことができないため、機能に異常が出た場合は施術によって治さなければなりません。

当院ではこのcomponent movementを評価するための触診法モーションパルペーションmotion palpationを用いて検査・治療を行っています。

当院の治療方法と概念はこちら

 

股関節に戻ります。

FAIで問題となる動きは股関節の屈曲です。

この股関節の屈曲が行われるための副運動は

大腿骨の後方移動sliding・ローリングrollingが必要になってきます。

この後方移動と回転が行えなくなると、寛骨臼の関節面に対して、大腿骨は衝突impingementしてしまいます。

つまりFAIとなるのです。

大腿骨の前方変位や上方変位と呼ばれる状態を治すことで、正常な動作が行える様になっていきます。

股関節の牽引法
股関節の牽引法
仙腸関節モビリゼーション

股関節に弱い牽引の力をかけることにより、関節の前面の狭窄を取り除き、副運動を促します。

問題となる筋肉として、腸腰筋等がありますので、筋肉の緊張を緩めさせることも重要です。

 

次は寛骨の傾斜についてお話しします。

股関節を形成する骨である「寛骨」は寛骨臼と呼ばれる受け皿を持っています。

寛骨臼の向き
寛骨臼の向き

参考図書:オーチスのキネシオロジー

とてもわかりやすい本でお勧めです。ぜひ購入してください

オーチスのキネシオロジー 身体運動の力学と病態力学 原著第2版
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図のAは正面から見た図で下外側に寛骨臼が向いていることが確認できます。

図のBは上から見ていますが、前面を寛骨臼は向いています。

つまり寛骨臼は下・外・前を向いています。

 

もし骨盤の前傾が強い(反り腰)だったら・・・

寛骨臼は下を向いてしまい、屈曲動作は難しくなります。

もし仙腸関節が閉まっていたら・・・

寛骨臼はやや後ろを向いてしまい、屈曲動作は難しくなります。

もし骨盤が右に傾斜していたら・・・

寛骨臼はさらに下を向いてしまい、屈曲動作は難しくなります。

 

運動連鎖
運動連鎖

運動連鎖から考えると、寛骨臼の向きを変化させてしまうのには、肩関節や足関節など体のすべてに存在します。

股関節の変形にばかり目を向けていたら治るものも治らないのはご理解いただけるでしょう。

参考図書:運動連鎖〜リンクする身体

運動連鎖~リンクする身体 (実践mook・理学療法プラクティス)

 

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変形性膝関節症 膝の前面の痛み びっこひく 東京都にしむら治療院

 

今日は70代の女性で長距離のウォーキングから膝の痛みが出現し、一ヶ月経っても軽減しなかった方が、2回の治療で通常歩行が痛みなく可能になった症例を報告します。

 

毎月続けているウォーキングの会でしたが、8kmほどの長い距離に参加したところ、いつもの距離である4kmくらいから右膝の前面が痛みだし、最後にはびっこでも痛みが強く出現する様になりました。

整形外科には通院していたので、痛みが出現後、鎮痛剤の服用と膝のヒアルロン酸の注射を行っていました。

痛みは変わらず、びっこをひき、膝下の前面の痛みが一番強く、太ももの裏も強い張りを感じていました。

 

歩行動作を分析すると、痛い右足の方へと体が倒れて歩く癖に気づきます。

痛みがあれば逃避する様に反対側へ負荷を逃がすのが普通です。

脊柱の機能検査をすると、胸腰部が左側弯(右屈)しています。

歩行動作と同じ脊柱の歪みを呈し、さらには膝の前面を支配する大腿神経を圧迫しているようでした。

 

膝の機能検査は、

膝蓋骨が下方に引っ張られ、膝蓋靭帯の緊張と肥厚が確認できました。

膝蓋骨の可動性検査(この場合は下方可動性検査)
膝蓋骨の可動性検査(この場合は下方可動性検査)

脛骨は前方変位し、膝の完全伸展(伸展−15°)ができていません。

脛骨の後方可動性 大腿骨の前方可動性
脛骨の後方可動性
大腿骨の前方可動性

膝の屈曲は患側45°、健側60°

 

骨盤の機能検査は

患側である右の腸骨は右に傾斜し、仙腸関節は緊張し動きの余裕もありません。

仙腸関節検査

腸腰筋は患側の右で緊張が強く、筋力テストでは下肢が持ち上がりません。

 

腸腰筋の緊張が体幹の右屈を起こし、大腿神経の圧迫と右足のストレスを強め、膝の緊張と痛みを起こしたと予測しました。

 

治療はまず腸腰筋をリリースしていきました。

股関節のマイクロ牽引法2
腸腰筋の弛緩法

続いて仙腸関節と腰部の圧迫の治療をしました。

仙腸関節
仙腸関節の治療
下方変位のモビリゼーション
胸腰部の下方変位のモビリゼーション

下肢への治療が効果を出しやすい様に神経系の治療をしたあとに、膝自体の治療へとうつります。

膝蓋骨と脛骨の可動性を引き出し、足関節の可動性も作っていきます。

脛骨の前方後方可動性検査
脛骨の前方後方可動性検査と治療
膝関節の牽引法
膝関節の牽引法
距腿関節
距腿関節

一回目の治療は10→9と言った具合で顕著な差は出ませんでした。

一週間後、再度検査をすると膝関節自体の可動性はでていましたが、痛みは同様と仰っていました。

再度腰部の治療から行って膝の可動検査を行うと、屈曲と伸展ともに改善を示し、歩行を行ってみると、嘘の様に歩ける様になりました。

10→2まで改善していました。

次の週には歩行動作は問題ない程度まで改善したところで、普段通院している病院のフォローのみへとなりました。

 

 

変形は人体の、負荷に対する適合であって、それ自体が悪いわけではありません。

変形が表すのは、その人の体がどのように重力に抵抗をしているのかであって、それ自体が痛みを起こしているわけではない。

もし変形自体が痛みを起こしているのであれば、変形が強い側より反対が痛むことは無いし、少しでも体重のかかり方を改善することで痛みが改善することもない。

膝の治療で大切なのは、どのように足が体を支えているか、「力の流れを妨げているところをしっかりと検査し治療することです。

 

膝の痛みでお困りの方にお力になれていれば幸いです。

にしむら治療院 西村 公典

東京都港区芝5-27-5山田ビル503

03-6435-2437 nishimura@hari.space

にしむら治療院ホームページ

 

当院が行っているとても優しい手技は、中川貴雄先生からご指導いただいているものです。

勉強会などに興味ある方もご一報ください

 

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股関節の痛み ゴルフ 東京都港区にしむら治療院

リストターンと肘の痛みの症例についてはこちら

ゴルフの解剖学 股関節と仙腸関節についてはこちら

フォロー時の左肘の働きはこちら

ライ角と腱鞘炎の関連について

手のこわばりについて

 

ゴルフで起こる股関節の痛みでは左足と右足で使う動きが若干異なるため、治療方針も左右で異なります。

右股関節であれば、インパクト時に右の腰から股関節を前に押し出す必要があります。

左股関節であれば、右の入れ込みに対して左を少し引くことと、壁といわれる様にインパクトまで体の捻る力と体重移動をためるために固定の役割を必要とされたりします。

 

普段はゴルフ後に腰下肢の筋肉痛程度の方が、ちょっとした力みから歩行困難なまでに痛みの増強が生じてしまった方の症例を紹介したいと思います。

 

もともと右股関節に疾患を持つため、無理をすると右股関節は痛み(重い痛みとビリッとした痛みの両方)を来すことがある患者さんです。

しばらく大きな問題がなかったため来院されませんでしたが、ゴルフ後から歩行も困難なほど増悪したので急遽来院しました。

足を持ち上げることができず、固定して歩いてきます。

先週末にゴルフの打ちっぱなしをしている最中に違和感を覚え、次の日ラウンドの途中から痛みが強く、さらに痛みが強くなっている状態です。

考えてみるとその前からちょっと違和感は出てきたということでしたので、慢性的な痛みと急性期の痛みが混同していることが予想されます。

 

右の骨盤が前方・内側に巻き込むような形になっていました。

ゴルフの動きと非常に似ています。

腰椎は右側弯を来たし、痛みのある右股関節の上に体を乗っけているような雰囲気。

理学検査

SLR R10°  L40°

股関節屈曲 R80° L95°

外転 R10° L30°

内転R10° L15°

腹臥位膝屈曲R90° L60°(右股関節に痛み)

足首の関節も非常に緊張が強い。R>L

 

まとめると右股関節は可動域の低下が目立ち、ただ左膝を曲げると右股関節に痛みを出すことから、左の腰椎にも問題が診られることが予想できました。

 

腰椎は右凸の側屈変位。つまり左に下方変位が存在することが予想され上部腰椎は全体的に左下方変位でした。

左側を治療していきます。すると左膝を曲げても右股関節に痛みは走らなくなりました。

胸腰椎のモビリゼーション
胸腰椎のモビリゼーション

右骨盤の回旋と前方への変位を次ぎに取ります。

仙骨のモビリゼーション写真は左側を治しています。今回の場合は右骨盤

仰向けで股関節を動かすと、初動時にビリッと痛みますが、可動域はかなり改善しました。つまりは腰部の右側弯と骨盤の変位が可動域の制限を起こしていました。

しかし初動時のビリッという痛みは取れず、試しに得られていた情報の足関節に注目しました。

つま先を上に上げる動きの背屈をすると抵抗がみらてます。

つま先を上に上げた状態で足を持ち上げるとビリッとした痛みがありません。

これは四頭筋の筋トレに足関節の協同を持たせると効果が高いことと同様の神経機構の働きであると予想されます

距腿関節
距腿関節

足関節の治療と股関節の牽引を行い歩いてもらうと普通に歩けるということでした。

ゴルフの動作とその人の体の雰囲気を読み取り、適切な検査と治療を行えば、急性期の歩行が困難な程度の痛みであってもすぐに改善することができます。

少しでもお力になれれば幸いです。

 

 

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