股関節のインピンジメント FAI(femoroacetabular impingement) 東京都治療院

股関節の問題は、「歩行」という最も必要な日常動作と関わるため、患者さんにとって精神的な不安を大きく生み出します。

股関節という問題に対して多角的な視点で向き合うことで、少しでも痛みから解放へと前進できましたら幸いです。

 

今日はFAIの既存の考え方に対して、私が抱く疑問についてご紹介していきたいと思います。

それは

股関節の可動性 joint play / mobility / component joint movement の問題と、寛骨の傾斜による関節面の変化がなおざりにされているところに違和感があります。

 

まずは、FAIについて一般的な考え方について復習していきます。

股関節のインピンジメント障害・FAI(femoroacetabular impingement)というとスポーツ障害として位置づけられていると思いますが、スポーツを行っていない方も同様の症状を持っている方はいらっしゃいます。

レントゲン上で認められる骨の変形によって運動の制限と痛みが起こります。

FAI impingement
FAI impingement

Santa Monica Orthopaedic and Sports Medicine Group Hip and Pelvis Institute

 

このように股関節の受け皿の方である「寛骨臼」の変形・大腿骨の変形、もしくはその混合か、といったところが整形外科で言われる焦点である。

症状が同様であっても、レントゲン上で変形が認められなければ診断されづらいのではないでしょうか。

 

変形身体の股関節のストレスを守るための戦略による結果ではないでしょうか。

変形が痛みを起こしているのではなく、

股関節の機能制限が痛みを起こし

機能制限による負荷の持続が変形を起こす。

 

 

私の個人的な経験による見解ですが、

FAIという診断されている方(レントゲン上の変形あり)

FAIと症状は同様ですが、レントゲン上は問題ないため、股関節炎としか診断されていない方

どちらも股関節の可動性と骨盤の機能を改善させることで多くの方は痛みから解放されています

 

ではなぜこの股関節の可動性と骨盤の機能改善が大切なのか考察していきたいと思います。

 

足がスムーズに上げたり下げたりするには、関節の可動性joint mobilityという、関節内の小さな動きintra-articular joint movement が必要になってきます。

骨運動と呼ばれる実際の大きな足の動きには、副運動component movementとも呼ばれるごくごく小さな、見ることのできない運動が含まれています

この副運動は自動では動かすことができないため、機能に異常が出た場合は施術によって治さなければなりません。

当院ではこのcomponent movementを評価するための触診法モーションパルペーションmotion palpationを用いて検査・治療を行っています。

当院の治療方法と概念はこちら

 

股関節に戻ります。

FAIで問題となる動きは股関節の屈曲です。

この股関節の屈曲が行われるための副運動は

大腿骨の後方移動sliding・ローリングrollingが必要になってきます。

この後方移動と回転が行えなくなると、寛骨臼の関節面に対して、大腿骨は衝突impingementしてしまいます。

つまりFAIとなるのです。

大腿骨の前方変位や上方変位と呼ばれる状態を治すことで、正常な動作が行える様になっていきます。

股関節の牽引法
股関節の牽引法
股関節のマイクロ牽引法
股関節のマイクロ牽引法

股関節に弱い牽引の力をかけることにより、関節の前面の狭窄を取り除き、副運動を促します。

問題となる筋肉として、腸腰筋等がありますので、筋肉の緊張を緩めさせることも重要です。

 

次は寛骨の傾斜についてお話しします。

股関節を形成する骨である「寛骨」は寛骨臼と呼ばれる受け皿を持っています。

寛骨臼の向き
寛骨臼の向き

参考図書:オーチスのキネシオロジー

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オーチスのキネシオロジー 身体運動の力学と病態力学 原著第2版
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図のAは正面から見た図で下外側に寛骨臼が向いていることが確認できます。

図のBは上から見ていますが、前面を寛骨臼は向いています。

つまり寛骨臼は下・外・前を向いています。

 

もし骨盤の前傾が強い(反り腰)だったら・・・

寛骨臼は下を向いてしまい、屈曲動作は難しくなります。

もし仙腸関節が閉まっていたら・・・

寛骨臼はやや後ろを向いてしまい、屈曲動作は難しくなります。

もし骨盤が右に傾斜していたら・・・

寛骨臼はさらに下を向いてしまい、屈曲動作は難しくなります。

 

運動連鎖
運動連鎖

運動連鎖から考えると、寛骨臼の向きを変化させてしまうのには、肩関節や足関節など体のすべてに存在します。

股関節の変形にばかり目を向けていたら治るものも治らないのはご理解いただけるでしょう。

参考図書:運動連鎖〜リンクする身体

運動連鎖~リンクする身体 (実践mook・理学療法プラクティス)

 

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